発がん性にも影響?避けたい添加物とは〜食品添加物の基礎知識②
食品添加物は私たちの食を便利にしてくれる一方で、体への影響も心配されます。忙しい生活を送る中で加工食品やインスタント食品全てを避ける事は難しいこともありますが、体にどのような影響を与えるかを知っておくことは大切です。そこで、前回に続き今回は特に体への影響が心配される添加物についてご紹介します。
前回記事
Contents
1.合成着色料(タール色素)
着色料は食品の製造、加工時に色をつける目的で使用され、合成着色料と天然着色料があります。日本で使用が認められているタール色素は12種類ですが、海外ではその多くが禁止されており、体への影響が心配されます。日本でも、過去に発がん性などの毒性が認められ使用禁止になった物が数多くあります。
使用例
菓子類、漬け物、畜産物加工品、魚介加工品など
着色料の種類
天然着色料(コチニール色素、パプリカ色素など)
動物や植物、鉱物などの自然界に存在する天然色素を人工的に取りだしたもの
合成着色料(タール色素)
主に石油精製の際に得られるナフサを原料とした化成品から生産される
(赤色2号、黄色4号など番号が振られている)
日本で認められている合成着色料は12種類・・・しかし、海外では使用を禁止しているものも!
食用赤色2号
用途:菓子類、アイスキャンデーの着色など
発がん性があるとして、アメリカ、韓国などで使用禁止
食用赤色3号
用途:かまぼこ、漬物の着色など
発がん性、染色体異常のリスクから、アメリカ、ドイツ、ポーランドなどで使用が禁止
食用赤色40号
用途:清涼飲料水、菓子類の着色など
イギリスでは注意欠陥・多動性障害(ADHD)と関連が疑われるとしてメーカーへ自主規制を促した
食用赤色102号
用途:漬物、菓子類の着色など
アメリカ、カナダ、ベルギーでは食品への使用が禁止されている
食用赤色104号
用途:ソーセージ、菓子類の着色など
遺伝子損傷などを生じるとして国によっては禁止されている
食用赤色105号
用途:ソーセージ,菓子類の着色など
食用赤色106号
用途:ハム、ソーセージなどの着色など
食品添加物として使用されるのは日本だけ
食用黄色4号
用途:ゼリー、シロップの着色など
イギリスでは注意欠陥・多動性障害(ADHD)と関連が疑われるとしてメーカーへ自主規制を促した
食用黄色5号
用途:清涼飲料水、菓子類の着色など
食用緑色3号
用途:清涼飲料水、菓子類の着色など
食用青色1号
用途:清涼飲料水、菓子類の着色など
ベルギー、フランス、ドイツ、スウェーデン、オーストリアでは使用を禁止している
食用青色2号
用途:チョコレート、和菓子の着色など
発がん性の問題で国によっては使用禁止にされている
出典:食用色素の化学
過去に日本で使用禁止になった着色料
発がん性などの危険性から、使用禁止になった着色料
ADHDとの関連性も指摘されている
英国食品基準庁 (FSA)は2008年4月、注意欠陥・多動性障害(ADHD)と関連の疑われる合成着色料6種類について、食品メーカー等に自主規制を促しました。
出典:内閣府食品安全委員会
合成着色料を使ったお菓子やジュースはパッと目を惹き綺麗ですが、体にとって安全とは言えません。着色料を使わなくても、赤色はビーツやラズベリー、黄色はマンゴー、人参で、紫キャベツを使えば青色を作ることもできます!素材本来の色でお料理やお菓子作りを楽しみたいですね♪
2.合成甘味料(アステルパーム・スクラロース・エリトリトール)
甘味料は、食品に甘みを与える食品添加物で、天然甘味料と人合成甘味料に分類されます。合成甘味料は、「ゼロカロリー」や「カロリーオフ」など、健康を意識した商品の甘味料として人気が出た一方で、強烈な甘さに慣れ、砂糖を過剰に摂取してしまうなどの心配もあります。
また、「アスパルテーム」は2023年7月、世界保健機関(WHO)傘下の国際がん研究機関(IARC)により「ヒトに対する発がん性を持つ可能性」のリストに掲載されることが決定しました。
疲れたときに甘い物が食べたくなったり、甘い物と食べるとホッとするという方も多いと思いますが、「砂糖はダメ」と一切を絶つのではなく、量や質にこだわって選んでみましょう。
使用例
菓子類、清涼飲料水、ガムなどに甘味をつける為に使用されます。
甘味料の種類
天然甘味料
植物や果実に含まれている甘み成分を取り出し精製、濃縮したもの
(サトウキビ、メープル、ハチミツなど)
合成甘味料
食品に存在しない甘み成分を人工的に合成したもの(アステルパーム、サッカリン、スクラロースなど)
合成甘味料の甘さは砂糖の600倍!?
合成甘味料の甘味度は、砂糖に比べアステルパーム200倍、スクラロース600倍と言われています。少量で甘味がつけられることからダイエット食品、お菓子、清涼飲料水などに広く用いられていますが、一方で、合成甘味料は糖尿病のリスクを上げることが報告されています。
また、砂糖に比べ、200~600倍という強烈な甘みを持つ人工甘味料に舌が慣れてしまうと、甘味に対する味覚が鈍ってしまい、果物などの自然の甘さでは物足りなくなり、ついついお菓子などの甘い物を食べすぎてしまいます。
体に優しい甘味料~ヴィーガン子育て編集部のオススメ~
ドライフルーツ
自然で優しい甘味が楽しめます。
羅漢果
本みりんのアルコールを飛ばし、旨味と甘味だけを残した低GI甘味料。
3.防カビ剤(OPP、TBZ、IMZなど)
海外から輸入されるオレンジやレモンなどの柑橘類、バナナなどの果物類は、輸送、貯蔵中にカビが発生することがあり、それを防止するために防かび剤が使用されます。食品衛生法では、農薬ではなく食品添加物として使用が認められています。
使用例
輸入果物(主に柑橘類やバナナなどの果物類)の防かび剤
IMZ(イマザリル)
イマザリルは防かび剤として使用されますが、日本では、その毒性から農薬としても使用が認められていません。
リスク:生殖器、胎児への影響、肝臓の障害
OPP(オルトフェニルフェノール)
1955年に農薬として登録されたが、1969年に失効。その後、1977年に食品添加物としての認可を受けた。
リスク:ラットによる実験で、腎臓と膀胱にガンが認められる
TBZ(チアベンダゾール)
1972年に農薬として登録され、1978年に食品添加物としての認可を受けた。
リスク:肝臓(肝細胞 肥大等)、甲状腺(ろ胞細胞過形成等)、腎臓(腎盂移行上皮過形成等)及び血液 (貧血等)への影響、ウサギによる発生毒性試験では胎児に奇形の発生頻度増加が認められた。
出典:内閣府 食品安全委員会
表示をチェックしよう!
防カビ剤を使用した柑橘類やバナナなどの果物を販売する場合、バラ売りであっても、値札や陳列棚に使用した物質名を表示するように決められています。
防カビ剤は水洗いしただけではほとんど落ちないため、ジャムやドリンク、お菓子などに果皮ごと使用する場合、十分気をつける必要があります。日本では収穫後の防カビ剤の使用は禁止されていることから、国内で栽培された果物を使うのが好ましいでしょう。
子どものおやつを買う前に、是非食品表示をチェックしてみましょう。
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