米酢・黒酢・リンゴ酢・梅酢・ワインビネガー他お酢料理のコツと保存法
酢には、米酢や黒酢、さらにリンゴ酢やワインビネガーなど、たくさんの種類があり、栄養も豊富!ただ、どのように使い分けたら良いか分からない、という声もよく耳にします。それぞれの酢の特徴を知って、普段のお料理やお菓子作りに活かしてみましょう!
紀元前5,000年にも使われていた世界最古の発酵調味料
酢は、紀元前5,000年頃のバビロニアの記録に残されている世界最古の発酵調味料です。日本へは、5世紀の初め頃に中国より伝わったという記録があります。お酢が太古の昔から重宝されていたのは「殺菌・防腐作用」や「食材の生臭さを和らげる」効能が背景にあります。冷蔵庫や冷凍庫はもちろんのこと、氷等の冷やす材料がすぐに手に入らない時代には無くてはならない調味料だったのではないでしょうか。
お酢の種類と特徴
穀物や果実からお酒を醸造した後、酢酸菌を加えて発酵をさせたものがお酢です。開封後は風味や味が落ちるので冷蔵庫で保存するのがおススメ。お酢は色々な種類があるので「何を選んだら良いのかな?」と迷ってしまいますが、お料理に合わせてお酢を変えてみると、いつものお料理がワンランクアップしますよ♪
米酢
蒸したお米に米麹と水を加えて加熱し糖化をした後、酵母を加えてアルコール発酵をさせます。その後に酢酸菌を加えて3か月ほど発酵・熟成。米から作られるだけあり、和食と相性が良く酢飯や酢の物には欠かせません。酸味が苦手な方は、沸騰直前まで火を入れると口当たりが柔らかくなり、料理の味もまろやかになります。
粕酢(赤酢)
酒粕を主原料としたお酢。 熟成させた酒粕に水を加え、アルコールと酢酸菌で発酵・熟成させる。酒粕独特の旨みと風味がある。長い期間熟成して赤黒くなったお酢は「赤酢」とも呼ばれ老舗の料亭や寿司屋で酢飯に使用されます。
黒酢
玄米と麹から作られる栄養豊富なお酢。 発酵の工程を壺の中で行い2年ほど熟成させます。アミノ酸やミネラルが豊富で、酸味の中にコク出しをしたい時に使うとお料理の味わいが広がります。 和食、洋食、中華とお料理を選ばずに使えるので一家に1本常備しておくと便利です。
リンゴ酢(アップルサイダービネガー)
リンゴの果汁と果肉をアルコールで発酵させた後、酢酸発酵をさせ作られます。 野菜との相性が良いので、気温が高くなってきた春~夏のドレッシングに使用すると、味が軽く仕上がります。リンゴの香りが良い上質なお酢を選ぶのがおススメです。
ブドウ酢(ワインビネガー)
ワインを酢酸発酵させたものです。ワインビネガーと呼ばれ赤と白の2種類があります。この「白ワインビネガー」を濾過して煮詰めた後、木製樽で発酵と熟成を行ったものが「バルサミコ酢」です。独特な香りと風味を持ち濃厚な甘さのあるお酢なので、コクを出すときの隠し味やデザートのソースにも便利で、特にイチゴとの相性は格別です。ぜひ、お試しください!
尚、ブドウ酢を選ぶ際には、酸化防止剤(亜硫酸塩)、カラメル色素を使用していないものを選びましょう。 亜硫酸塩はワインに添加されている事が多いのでオーガニック系の商品を選ぶ際にも原材料欄を確認してくださいね!
梅酢
梅干しを製造する時、「梅」と「お塩」を交互に容器に入れますが、2週間ほどで梅が液体(エキス)に浸かっている状態になります。この梅から出てくるエキスが「梅酢」です。 疲労回復に有効なクエン酸、デトックスや便通に有効なリンゴ酸、老化防止や殺菌作用のあるポリフェノールなどが豊富に含まれています。 皮ごと使用するので有機栽培(無農薬・化学肥料不使用)で育てたオーガニックの梅を使用した物が望ましいです。 また、しその葉を入れたものは赤梅酢、入れていないものは白梅酢といいます。 調味料として手軽に食生活に取り入れられるのも魅力。酢の物やドレッシングに使えば、まろやかな酸味が素材をひきたててくれますし、塩分もしっかりあるので醤油代わりに冷や奴や納豆に使ったりしてもおいしいです。
いかがでしょうか。一本持っているだけで、料理の幅が広がります。是非お試しください!
〖出典〗 ・発酵食品辞典 小泉 武夫 ・食の安心とマクロビオティック 山田 次郎
ヴィーガン子育て編集部
※現在、日本では「VEGAN」を「ヴィ―ガン」「ビーガン」の2通りで表記されていますが、意味は同じです。当サイトでは「ヴィ―ガン」で統一しています。