目指せ、ゼロ・ウェイスト!~マイクロプラスチックは歯磨き粉や洗顔料にも〜
ヴィーガン子育てでは、これまでプラスチックごみによる海洋汚染などのごみ問題について「ゼロ・ウェイスト」シリーズとしてご紹介してきました。
第四弾は、わたしたちの身近にあるマイクロプラスチック入りの製品や、マイクロプラスチックが環境へ与える影響についてお伝えします。
Contents
歯磨き粉や洗顔料にも一次マイクロプラスチックが含まれている事実
マイクロプラスチックとは、5mm以下の微細なプラスチックのことで、マイクロサイズで製造された一次マイクロプラスチックと、大きなサイズで製造されたプラスチックが自然環境中で破砕・細分化されてマイクロサイズになった二次プラスチックがあります。
どちらも微細なため、製品化された後の対策や自然環境中での回収は困難とされています。
一次マイクロプラスチックは、歯磨き粉や洗顔料、ボディーソープなど、私たちの身の回りの製品にも使用されています。
「歯磨き粉や洗顔料にプラスチック!?」と驚く方も居ると思いますが、肌の角質除去や洗浄の目的で、スクラブ剤が配合された歯磨き粉や洗顔料、ボディーソープなどを使ったことのある方は多いのではないでしょうか?実は、あのツブツブがマイクロプラスチックなのです。
マイクロプラスチックという目に見えない小さなゴミが海へ流入している
先述の通り、マイクロプラスチックは非常に微細なため、排水溝から下水へ流れ込み、一部は下水処理を通り抜けて海へ流入します。海へと流入したプラスチックは、環境だけでなく、海に住む生物にも大きな影響を与えており、200種類以上の海洋生物がプラスチックを摂食していると言われています。
「肌のために」と思って使っている製品が、実は環境汚染の原因となっているのは驚きですね。
このようなことから、回収の難しい一次マイクロプラスチックの発生を抑えようという動きが世界的に広がっています。
プラスチック汚染問題に対する国や企業の取り組み例
マイクロプラスチックの発生抑制対策として、米国・カナダ・フランス・英国ではマイクロビーズを含むパーソナルケア製品の製造や販売が規制または禁止されています。
日本では、日本化粧品工業連合会が平成28年3月に会員企業1,100社に自主規制呼びかけを通知しました。
日本の大手企業でも、マイクロプラスチックビーズを天然由来の成分へと切り替える動きが広がっています。その一例をご紹介します。
資生堂
洗浄料などに含まれるマイクロプラスチックビーズ※について、2018年8月末までに代替素材への切り替えを完了しました。
※マイクロプラスチックビーズ: 角質除去や洗浄の目的で、パーソナルケア製品に意図的に配合される、大きさ5mm未満、合成の非水溶性固体プラスチック粒子
花王
花王グループの日本で販売している「ビオレ」「メンズビオレ」の洗顔料、全身洗浄料に使用しているスクラブ剤は、天然由来の成分(セルロース、コーンスターチ)を使用して花王が開発したものです。
また、歯磨きの「クリアクリーン」の顆粒も、天然由来の成分で、いずれも、マイクロプラスチックビーズには該当しません。
ただし、ごく一部の洗い流すプレステージ化粧品、海外で販売している全身洗浄料のごく一部には、マイクロプラスチックビーズに該当する成分を使用していましたが、2016年末までにすべて代替素材に切り替えました。
コーセー
マイクロプラスチックビーズは、洗浄料などの洗い流し用製品に配合されている原料です。人体に対する安全性が高く、優れた機能性を持つ原料として用いられてきましたが、昨今、環境面への影響に関する懸念が国内外で指摘されています。
コーセーグループでは、国際的な社会の関心に配慮して、2014年度に開発の新しい洗浄料からその配合を中止し、環境負荷の低い植物性原料などに置き換えるなどの対応を行いました。また、既存のマイクロプラスチックビーズを含む洗浄料の切替も完了し、2018年1月以降は、マイクロプラスチックビーズを含む洗浄料の国内外への出荷を一切行っておりません。
地球に体に、優しい製品を選ぼう
「地球にも体にも優しい製品が選びたい!」という方におすすめの、マイクロプラスチックはもちろん、石油系原料不使用、動物実験不実施のおすすめの商品をご紹介します。
歯磨き粉
研磨剤(マイクロプラスチックビーズ)不使用で、歯を傷つけない歯磨き粉です。
洗顔料
クリーミーな泡立ちで顔もボディも洗える固形石けんです。
スクラブ
ラベンダーでもっと健やかなお肌に。
マイクロプラスチックが含まれているか簡単にチェックする方法
普段の生活で使い続ける化粧品や日用品に、環境に負荷をかけてしまうマイクロプラスチックが含まれているかどうか気になりますよね。
化粧品や歯磨き粉などに含まれる汚れ落とし目的のスクラブ剤として、ポリエチレンやポリプロピレンといったプラスチックが使われていることが多くあります。
そのため、「ポリエチレン(PE)」・「ポリプロピレン(PP)」・「ポリエチレン末」などの表示があります。成分表示をよく確認して、製品を購入するように心がけましょう。
ヴィーガン子育て編集部
※現在、日本では「VEGAN」を「ヴィ―ガン」「ビーガン」の2通りで表記されていますが、意味は同じです。当サイトでは「ヴィ―ガン」で統一しています。
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