ライフスタイル

目指せ、ゼロ・ウェイスト!~マイクロプラスチック問題と海洋汚染から海を守るために私達にできること~

わたしたちが暮らす日本は、周囲を海に囲まれています。

綺麗な海の景色は心を洗われますよね。 ですが、海へ遊びに行き、たくさんのゴミが打ち上げられている光景を見たことがある方も多いのではないでしょうか。
海には目に見えるごみ、海底に沈むごみも含め、様々なごみで溢れています。

ヴィーガン子育てでは、無駄・ごみ・浪費をなくし、ごみの発生を減らそうという考え方「ゼロ・ウェイスト」についてシリーズでお伝えしてきましたが、第五弾は、海洋汚染の中でも世界的に問題となっているプラスチックごみについてご紹介します。

世界で捨てられ続けるプラスチックごみはやがてマイクロプラスチックへ

レジ袋やペットボトル、食品の包装容器など、プラスチック製品はわたしたちの生活に欠かせない存在となっています。

世界のプラスチック総生産量は、2015年には3億8000トンに達し、その大半が使い捨ての梱包、容器用です。 世界中で使い捨てられるプラスチックごみですが、そのリサイクル率はわずか9%で、12%は焼却、残りの79%は埋め立てあるいは海洋等へ投棄されています。

自然環境に蓄積されたプラスチックは、紫外線や熱、波の力で壊れ細かくなりますが、いくら細かくなっても分解されず、中には分解されるまでに400年かかる物もあります。

その微細化した直径5ミリ・メートル以下のプラスチックをマイクロプラスチックと呼びます。

マイクロプラスチックは一次と二次に分類される

一次マイクロプラスチック

マイクロサイズで製造されたプラスチックのことで、洗顔料、歯磨き粉のスクラブ材等に利用されているマイクロビーズのこと。排水溝等を通じて自然環境中に流出します。 微細なため、製品化された後の対策や自然環境中での回収は困難とされています。

二次マイクロプラスチック

大きなサイズで製造されたプラスチックが、自然環境中で破砕、細分化されマイクロサイズになったもの。 マイクロ化する前段階(大きなサイズ)での回収も必要とされています。

プラスチックごみが海洋生物に与える影響

マイクロプラスチックの海洋生物に与える被害

世界の海には年間800万トンものプラスチックごみが流入していると推定され、海鳥やウミガメ、クジラ、魚、二枚貝など200種類以上の海洋生物がプラスチックを摂食していると言われるほど、深刻な問題となっています。

出典:プラスチックごみをめぐる最近の動向 ― 海洋プラスチックごみ問題への取組 ―

ムール貝からマイクロプラスチックが検出

英ハル大学とブルネル大学ロンドンの共同研究チームが、学術雑誌「エンバイロメンタル・ポリューション」で、英国周辺から採取された全てのムール貝からマイクロプラスチックが検出されたと発表。

出典:science direct(エンバイロメンタル・ポリューション)

東京湾のカタクチイワシからマイクロプラスチックが検出

東京農工大学農学部環境資源科学科の高田秀重教授の研究グループの調査によると、東京湾で釣ったカタクチイワシ64尾中、49尾からマイクロプラスチックが検出されました。

出典:東京農工大学農学部環境資源科学科 マイクロプラスチックって何だ?

マイクロプラスチックごみは海洋生物や塩からやがて人の口へ

マイクロプラスチックは海に暮らす生物だけの問題ではなく、魚介類を食すことで人間の体内へも取り込まれる可能性があるのです。 また、世界で販売されている食塩の9割からマイクロプラスチックが検出されたという研究結果も発表されています。

世界は脱プラスチックへ。各国のプラスチック規制の取組み例

こうした状況を受け、海外ではプラスチックの使用を禁止していこうという流れが強くなってきています。

  1. インド・カルナータカ州
  2. アメリカ サンフランシスコ
  3. アメリカ ハワイ・ホノルル
  4. オーストラリア タスマニア・コールズベイ
  5. エチオピア
  6. フランス
  7. モロッコ

インド・カルナータカ州

2016年3月 プラスチックの使用を禁止。
また、天然のでんぷんと植物油を組み合わせて作った100%オーガニックの“完全生分解性プラスチック製のビニール袋も開発されています。化学物質は一切使用されておらず、すべて天然成分から作られている。180日以内に自然に生分解されるようになっており、室内で水に浸ければ1日以内に分解され、熱湯に浸ければ約15秒で分解されます。

出典:Indian Company Makes Edible 100% Biodegradable “Plastic” Bags

アメリカ サンフランシスコ

2007年 プラスチックのレジ袋の使用を禁止。
2019年 サンフランシスコ国際空港では、8月20日からペットボトル入りの飲料水の販売が禁止され、空港内の100箇所以上に給水ステーションが設置されました。

アメリカ ハワイ・ホノルル

2015年7月 使い捨てのプラスチック袋の使用禁止(薬などに使われるものなど、例外もあり)。

オーストラリア タスマニア・コールズベイ

2003年 オーストラリアの町で初めて使い捨てのプラスチック袋の使用を禁止。 禁止した最初の年に35万枚のプラスチック袋の使用が減少!

エチオピア

2011年 プラスチック製の使い捨て買い物袋の輸入と製造を禁止。

フランス

大手スーパーで配られていた使い捨てのプラスチック袋(容量10L以下、厚さは50ミクロン以下のもの)の使用を禁止。

モロッコ

プラスチック製品を輸入したり、売ったりすることを禁止し、プラスチック袋の配布も禁止。

出典:国際環境NGOグリーンピース

プラスチックごみ問題解決のためにわたしたちに出来ることとは?

前述の通り、世界ではプラスチックの使用を禁止する動きが活発化しています。

日本ではレジ袋の有料化が検討され始めましたが、まだまだ後れを取っているのが現状です。綺麗な海を取り戻すために、出来る事ことから初めてみませんか?

マイクロプラスチックごみを減らすためにできること

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【マイクロプラスチックビーズ不使用歯磨き粉】

ご紹介したように、プラスチック製品が環境や海洋生物に与える影響は大きく、とても深刻な状況です。「安いから」「便利だから」という理由で物を選ぶのではなく、地球の未来に目を向けて買い物をすることを心がけてみましょう。

ヴィーガン子育て編集部

※現在、日本では「VEGAN」を「ヴィ―ガン」「ビーガン」の2通りで表記されていますが、意味は同じです。当サイトでは「ヴィ―ガン」で統一しています。

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