コラム

症状を引き起こしている原因は全く違う所にある可能性も。世界が注目する自然治癒力を高める「オステオパシー」

みなさんは身体の不調を感じたとき、まず何をしますか?
「市販の薬を飲む」「病院へ行く」という方も多いのではないでしょうか。

ヴィーガン子育てでは、これまでウイルスに負けない身体づくり、免疫力を高める食事、瞑想など、薬や病院に頼りすぎない生活についてご紹介してきました。

今回は、日本の医療システムの抱える問題や、自分自身の身体が持つ免疫力を最大限に活かす、オステオパシーについてお伝えします。

現代医学に伝統医学などを取り入れた統合医療に注目が

現代の医学は、薬物・放射線・手術などを用いて症状や疾患を治療していく対症療法が最も一般的です。

近年、現代西洋医学に伝統医学、民族療法(東洋伝統医学)など様々な補完・代替医療を取り入れた統合医療に注目が集まっています。

相補・代替医療とは

医療の実践における代替システム

  • 中国医学
  • はり
  • アーユルヴェーダ
  • ホメオパシー医学
  • など

用手療法

  • 指圧
  • マッサージ療法
  • カイロプラクティック医学
  • オステオパシー
  • 食事療法
  • など

出典:統合医療に対する厚生労働省の取組について

日本の75歳以上一人当たりの医療費は約94万円

現代医学は、今ある症状に対して投薬、手術、放射線照射などを使って症状を取り除きます。
例えば風邪の場合、風邪薬を服用して発熱や喉の痛みなどの症状を緩和、改善させますが、風邪のウイルスを死滅させるわけではなく、一時的に症状を抑える点では優れていますが、根本的な解決とは言えません。

また、日本の医療制度は、誰もが平等に医療が受けられるよう、国民全員が公的医療保険に加入し、一人ひとりが保険料を出し合い、助け合うことによって支えられています。海外を見てみると、必ずしもこのような仕組みがあるわけではなく、日本の医療制度は世界的にも優れていると言われていますが、医療費が安く、「軽い風邪や不調でも病院へ行ってしまう」「薬に頼りすぎてしまう方が多い」という問題点もあります。

日本の医療費は、2018年度には42.6兆円と2年連続で過去最高を更新し、国民一人あたり33.7万円となりました。75歳以上に限定すると1人あたりの医療費は93.9万円にものぼります。

2025年には、「団塊の世代」と呼ばれる世代が75歳以上の後期高齢者となり、3人に1人65歳以上という超高齢社会を迎え、医療制度の破綻が心配されています。

出典:厚生労働省「平成30年度 医療費の動向」について

そこで、ホリスティックな観点に立ち、現代西洋医学と非西洋医学・医療の中から、個々の患者にとって最適な治療法を用いて、治療・予防・QOLの向上に向けて統合的にアプローチする医療である統合医療に注目が集まっているのです。

自然治癒力を高める「オステオパシー」について

最初のセクションでご紹介したように、世界には様々な相補・代替医療が存在しています。今回はその中から、オステオパシーについて詳しくご紹介します。

オステオパシーは、1874年にアメリカ人医師アンドリュー・テイラー・スティル博士によって提唱された療法(医学)です。

その語源は、ギリシャ語の「骨」を意味するOsteonと「病」を意味するPathosからなる造語です。筋膜・骨・関節・頭蓋・臓器・リンパ・血管など、あらゆる器官に対する技術を持ち合わせ、さらには患者を身体・心・精神の3つからなる統一体として捉え、診察し、手技により治療を行う療法です。

オステオパシー医学では、「健康」とは生活環境における有害な影響に抵抗し、そうした有害な影響が与える効果を代償することが出来る状態を示し、「病気」とは解剖学的異常とそれに引き続いて起こる生理学的不調和の結果病気が起こる状態を示します。

オステオパシー4つの原則

以下は、JOPA日本オステオパシープロフェッショナル協会のサイトで紹介されている原則です。

身体は一つの単位(ユニット)である 一人の人間とは、身体、心、及び精神の単位である

個々の人間は人間として身体・心・精神が一体となって表現されている。解剖学的システム・生理学的システム・心理社会的システムが幾重にも関与し合う相互依存性機能を通して、個人は調節され、調整され、統合されている。解剖学的に全ての身体構造は結合組織、あるいは筋膜によって包まれており、そのため各構造は接触し合い、力学的に相互依存し合っている。さらに神経・内分泌・免疫・筋骨格系は、統合された一つの単位として内外の環境及び出来事に対して相互に作用し合い、反射を起こし反応することが知られている。

身体は自己調節、自己治療、健康維持能力を持つ

健康維持機能について、スティル博士は「人の身体の内部には健康を維持する能力がある。もしこの能力を正しく認識し、正常に保つことができれば、病気を予防することも治療することも可能である。」と述べている。人間という生物は生まれつき自己調節能力を持っている。最適条件では、身体・心・精神はでき得る限り健康を維持し、治療するように働くのである。人間の身体は一つのユニットである。

構造と機能は相互に関与し合っている

スティル博士は当時、ほかの人がまだ考えつきもしないうちから、様々な状況における構造と機能の変化に気がついていた。「解剖学的異常とそれに引き続いて起こる生理学的不調和の結果病気が起こる。」と説いている。一つの領域が障害されたり、あるいはそこに不均衡が生じると、その生物全体の構造及び機能が変化するのである。

合理的な治療は身体の調和、自己調節、及び構造と機能の相互関係の基礎的原理に基づいている

我々が病気と判断しているものは、名前のある疫学的病原体が人体に侵入することを指しているのではなく、むしろ身体の健康維持能力が崩れることである。

スティル博士が繰り返し指導しているように、病気とは機能的な異常とそれに続く生理的機能の不調和の結果であって、その原因ではないのである。人間の身体の全ての部分が秩序正しく機能しているとき、我々の身体は完全に健康体である。そうでないとき結果として起こるのが病気である。

悪い部分を再調整すれば、病気は健康に道を譲る

引用元:JOPA日本オステオパシープロフェッショナル協会

オステオパシー治療院での治療例

今回は、長野市にある治療院「オステオパシークリニック リンク」代表の岡宮弘明先生にお話しをお聞きしてきました。先生は数あるオステオパシーのテクニックの中でも特に『メカニカルリンク』という治療法を使って施術を行っています。

オステオパシークリニック『LINK』入口

①オステオパシーは「症状」ではなく、「患者さん」を診る

患者さんの現在の訴えを聞くだけではなく、生まれてから現在に至るまでに身体に負ったダメージについても全て確認します。例えば、長年悩んでいた腰痛の原因が、10代の頃に受けた盲腸の手術が関係していたなんてことも。症状を引き起こしている原因は全く違う所にある可能性が高いからです。

②とても穏やかで安全な治療テクニック「リコイル」

症状を起こしている原因を特定し、治療に入ります。グイグイと痛いほど強く圧迫するようなマッサージや、関節をポキッと鳴らすようなテクニックは一切使わず、患部と周囲の組織との調和をとることで正常に機能できるように促すことを目的としています。メカニカルリンクにおいて用いられる治療テクニックは「リコイル」と呼ばれるものだけしかありません。その際に必要な力はごくわずかです。

③日常生活の注意点を伝え自然治癒力が発揮されるのを待つ

施術の効果で改善した血液循環がスムーズに全身を駆け巡るのには少し時間がかかるため、翌日か明後日頃になって調子が良くなってくるケースも多いです。メカニカルリンクの治療は全身を隈なくカバーするため、少し間隔をあけて2~3回ほど受けていただくことをお勧めしています。

3Stepに加え治療する上で重要な要素「環境因子」を探る

こちらの治療院「リンク」では、まず最初に質問用紙に記入をしていきます。
これまでの病歴などに加え、最後に乳製品の摂取状況についても。「カルシウムのためにしっかり乳製品を摂取してください」と言われるのが通例ですが、「乳製品を多く摂取している人は、内臓の「膜」が癒着し内臓が硬くなりやすくなり、それが腰痛の原因になることもある」(岡宮先生)とのことでした。また、動物性食材、添加物の摂取も身体には少しずつ負担がかかっていきます。

「腰が痛い」という場合は、整体やマッサージに行き、その部分だけの治療に専念しがちですが、体は全て繋がっています。「腰痛の患者さんのお腹を触るとカチカチに固くなっていることも多い」(同上)とのこと。

「環境因子」とは、日常生活を送っている場所や職場など、人を取り巻く環境という意味合いはもちろん、食品など外から身体の中へと取り込まれる物質的なものも含まれています。手技によって身体を整えても日常でのストレス(肉体的なものも含む)が改善しなければ、より長く健康状態を保つことは不可能です。

身体の調子が悪い、なかなかよくならない、という場合は、まずは自分の中では当たり前となっている「日常」を見直してみることが大切かもしれません。

長野県オステオパシークリニック「リンク」

オステオパシークリニック「リンク」では、日常生活において努力、改善してもらいたいことについてもアドバイスを行っていますので、ぜひご相談に行かれてみてはいかがでしょうか。

全国各地にもオステオパシーの施術所は広がっていますので、チェックしてみてください。

>>>全国の施術所紹介|日本オステオパシー連合(JOF)

現代医学に頼りすぎず、食生活や生活習慣を整えつつ自分の心や体としっかり向き合い、健康維持を心がけましょう。

ヴィーガン子育て編集部

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