ライフスタイル

ペットを飼う前に親子で考えたい「命の尊さ」

ペットショップの子犬や子猫たちを見て、子ども達が可愛い!!と言っている光景をよく目にします。 子どもにねだられて飼い始める、というご家庭もあるかと思います。一方、ペット産業の実態を知って、他の方法で飼うことを選ばれる人もいます。 今回は、犬や猫を家族として迎え入れるその前に、是非知っておいてほしいことをご紹介します。 ※こちらの記事は2017年10月に公開された記事を元に最新情報を掲載したものです。

犬の購入先はペットショップからが大半

日本では現在、犬は9.96%の世帯、猫は8.63%の世帯で飼育されており、その数は1,589万頭にものぼります。 その内訳は以下の通りです。
  • 犬:705万3千頭
  • 猫:883万7千頭
入手先を見てみると、猫は野良猫の保護やシェルターからの引き取りが多いものの、犬は77%の人がお金を払ってペットショップやブリーダーから購入しており、犬も猫も5年前に比べてその比率は増えていることが分かります。 グラフ赤部分が、お金を払って購入した人の割合(2022年度調査 犬77%  猫24.5%) (2016年度調査 犬72.9%  猫18.7%) 犬猫飼育入手先 出典:一般社団法人ペットフード協会 全国犬猫飼育実態調査

子犬や子猫はどこから来たの?

ペットショップに並ぶ子犬や子猫がどこから来たかご存じの方は少ないかもしれませんが、市場に流通している子犬や子猫は、ブリーダーが繁殖を行い、オークションにかけられ店頭に並びます。 子犬子猫がペットショップに並ぶまで 出典:環境省 ~我が国における子犬(子猫)の販売流通実態について~ あまり知られていないこのペットショップ業界には、様々な問題点が指摘されています。

生体販売(ペットショップ)の問題点は?

ブリーダーの元で育つ犬

ブリーダー・パピーミル(子犬・子猫繁殖工場)

ブリーダーの中には、お金儲けのためだけに子犬や子猫を繁殖させるパピーミルと呼ばれる業者が存在します。その時ブームとなっている犬種を劣悪な環境下で繁殖させ続け、親犬・親猫は狭いケージに閉じ込められ、散歩はもちろん、満足な食事を与えられることもなく、「産むための道具」として扱われます。

ペットオークション

ブリーダーが繁殖を行った子犬や子猫は、オークションに出品され複数の業者で競り落とします。 幼いほど動物の衝動買いを誘うため、業者は早い段階で店頭に並べようとします。 生まれた子犬や子猫は早い時期で母親や兄弟から引き離されてしまいます。しかし、生後2ヶ月未満で母親や兄弟から引き離された犬は、吠え癖や噛み癖などの問題行動を起こす傾向にあると言われています。 アメリカ、イギリス、ドイツ、スウェーデン、オーストラリアでは生後8週間以内の子犬の販売は法律で禁止されています。(スウェーデンでは、生後12週間以内の猫、オーストラリアでは生後8週間以下の子猫の販売も禁止。)日本でも2019年6月に法改正が行われ、生後56日を経過した時点から販売が可能となりました。 フランスでは2024年1月から「動物愛護法」の施行により、ペットショップでの犬や猫の販売が禁止されます。 出典:環境省 ~我が国における子犬(子猫)の販売流通実態について~

売れ残った動物たちが行く先は・・・?

窓の外を見つめる犬 犬や猫の成長は早く、小さく可愛い時期はわずかです。 では、売り時を過ぎて売れ残ってしまった動物はどうなるのでしょうか?

ブリーダーへ販売

売れ残った動物は、ブリーダーへ販売されます。殺処分にならないので良いのでは?と思うかもしれませんが、劣悪な環境で子犬を産む道具として扱われてしまいます。

繁殖業者による遺棄

2013年9月に動物愛護法が改正され、行政はペット業者からの犬、猫の引き取りを拒否出来るようになりました。これにより、業者による犬、猫の遺棄事件が問題となっています。 2014年10月には、栃木県の鬼怒川河川敷、那珂川町山中で70頭の犬が遺棄され、大きなニュースとなりました。

移動販売業者へ販売

業者は売れ残りの動物を購入し、全国各地を回る移動即売会を行っています。移動即売会は、飼い主がきちんとした説明を受けられないまま動物を購入してしまう、長距離の移動で動物が弱り病気にかかりやすくなる、酷い場合では輸送中に死亡してしまうなど、様々な問題を抱えています。

人間都合で殺処分される犬や猫達―その数は1日39頭以上―

ペットショップで見かけた犬や猫を「可愛い!」と思って衝動買いする人もいるかもしれません。 その一方で、令和3年度、保健所に持ち込まれ殺処分された犬、猫の数は14,457にのぼります。この5年間で減ってきてはいますが、今も1日に約39.6頭も殺処分されているのです。 <保健所の犬・猫の引き取り状況> 犬・猫の引取り及び処分の状況 保健所のへの持込み理由は、引っ越すため、離婚するため、子どものアレルギー、忙しくて面倒をみることが出来ないなど、実に身勝手なものばかりで、飼い主の無責任さがよく分かります。 犬の平均寿命は14.76歳、猫の平均寿命は15.62歳です(※1)。ペットショップで購入しないのはもちろん、最期まで看取れるのか、家族全員でしっかり話し合うことが必要不可欠です。 出典:環境省 犬・猫の引取り及び負傷動物の収容状況 (※1)出典:一般社団法人日本ペットフード協会 令和3年(2022年)全国犬猫飼育実態調査 結果

命を守るために「買わない」という選択をしよう!

上述したように、日本では1日に約39頭以上もの犬や猫が殺処分されている一方で、繁殖業者は子犬や子猫を繁殖させ続けています。 この連鎖を断ち切るためにも、犬や猫を家族として迎え入れたいと思ったら、ペットショップで購入するのではなく、里親になる、という方法が、大切な命を守ることに繋がります。 以下のサイトも是非ご参考ください。

地域の保護犬、保護猫を探す

環境省【収容動物情報検索サイト】 地域の譲渡会へ足を運ぶ自治体の動物管理センターや保健所などに保護、収容されている迷子の犬や猫の情報や、譲渡できる犬や猫を掲載している自治体のサイトを検索できます。 ※リンクが切れている自治体もあるので、こちらのサイトで見つからない場合は、お住まいの都道府県、市などの名称と「保護犬」「保護猫」などのワードでWEB検索をおすすめします。

動物愛護団体、保護団体に寄付をする

アニドネ 活動内容や、個別の団体を選んで寄付をすることができます。寄附金はアニマルドネーションの認定団体に渡され、どのように使用されたかが明確にされます。

譲渡にはいくつかの条件があるため、事前に確認することも大切です。

ペットと飼い主
・家族全員の賛同が得られていること ・終生飼うことが出来る環境であること
など・・・ 譲渡条件や飼育環境に問題がない場合、トライアルを行い正式に譲渡となる流れが一般的です。 譲渡後のトラブルは、電話やメールにて相談を受け付けているほか、所属している獣医師のアドバイスを受けることが出来る場合もありますので、困った時は、一人で解決しようとせず、是非相談をしてくださいね! 出典:一般社団法人 ちよだニャンとなる会 猫の里親を募集する「譲渡会」ってどんなところ?実際に行ってみた ペットから、飼い主への言葉

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ヴィーガン子育て編集部

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