世界で最も消費されているパーム油が与える環境と動物への影響を知ろう

チョコレート、ポテトチップス、アイスクリームなどのお菓子やパン、カップ麺など、私たちの身近にある加工食品の原材料ラベルを見てみると、実に多くの商品に『植物油脂』が使われていることが分かります。植物油脂とは一体なんでしょうか?

至るところに使われている「植物油脂」とは?

植物油脂とはJAS規格定められている以下の18種類のことを言います。
・食用サフラワー油
・食用ぶどう油
・食用大豆油
・食用ひまわり油
・食用とうもろこし油
・食用綿実油
・食用ごま油
・食用なたね油
・食用こめ油
・食用落花生油
・食用オリーブ油
・食用パーム油
・食用パームオレイン
・食用パームステアリン
・食用パーム核油
・食用やし油
・食用調合油(植物油脂に属する油脂の2種類以上調合した油)
・香味食用油(植物油脂に香味料、香辛料を加えた油)
(出典:食用植物油脂の日本農林規格 http://www.maff.go.jp/j/jas/jas_kikaku/kikaku_itiran.html

そして、加工食品に使用される油脂の表示については、加工食品品質表示基準で以下のように定められています。
・「植物油」、「植物脂」若しくは「植物油脂」
・「動物油」、「動物脂」若しくは「動物油脂」
・「加工油」、「加工脂」若しくは「加工油脂」

このように、具体的な油の種類を示さなくてよいことから、加工食品の多くは「植物油」、「植物油脂」のみの表記となっています。
(出典:消費者庁 加工食品品質表示基準 http://www.caa.go.jp/foods/kijun_Itiran.html

日本で多く消費されている油脂は?

日本の油種別消費量を見てみると、1位:なたね油 2位:パーム油 3位:大豆油 この3種が、消費量のほとんど占めています。このことから、「植物油脂」と表記されている場合、上記の油が使われている場合が多いと考えて良いでしょう。
(出典:一般社団法人日本植物油脂協会  http://www.oil.or.jp/kiso/seisan/seisan03_01.html

パーム油って何?

では、日本の消費量2位のパーム油とは、一体どんなものでしょうか?
パーム油は、アブラヤシの実から採れる植物油のことで、食用油としてだけではなく、洗剤や化粧品などの原料として、幅広く使われています。2005年には大豆油を抜いて、世界で最も消費されている植物油となりました。
(出典:一般社団法人日本植物油脂協会  http://www.oil.or.jp/kiso/seisan/seisan02_01.html

なぜ、パーム油が好まれるのか?

パーム油は飽和脂肪酸であるパルミチン酸が多く含まれており、常温で固まる性質を持っているため、使い勝手の良さから多くの加工食品に使われています。また、他の植物油に比べ安価なのも人気の理由です。

固形でも液体でも使える油

固体の場合
チョコレート・・・カカオバターに比べ安価で、チョコレートに似た口溶けを出せる。
液体の場合
揚げ物・・・サクッとした食感に仕上がる。
ポテトチップス・・・酸化しにくいので揚げ油として重宝されている。

パーム油の主な脂肪酸含有量(%)
飽和脂肪酸 不飽和脂肪酸
パルミチン酸 ステアリン酸 オレイン酸 リノール酸 その他
43.7 4.4 40.3 9.3 2.6

(出典:公益財団法人 日本油脂検査協会 http://www.oil-kensa.or.jp/statistics/statistics.html

安さと美味しさの裏側にあるもの

世界的に需要の高まっているパーム油ですが、その裏側には様々な問題が潜んでいます。

環境への影響

世界で消費される85%のパーム油は、インドネシアとマレーシアで生産されています。(※1)
その栽培方法は『プランテーション方式』と呼ばれる方法で、大規模なアブラヤシ農園開発の過程で、多くの熱帯雨林が伐採され、焼き払われています。インドネシアとマレーシアでは、過去20年の間にアブラヤシ農園を作るために約360万ヘクタールもの森林が伐採されました。(※2)このように環境破壊が深刻な問題となっています。

(出典:※1 ©COPYRIGHT 2016 熱帯林行動ネットワーク(JATAN)
http://palmoilguide.info/about_palm/detai
(出典:※2 © COPYRIGHT 2016 プランテーション・ウォッチ All Rights Reserved.あぶない油の話
http://plantation-watch.org/abunaiabura/

動物への影響

また、熱帯雨林にはオランウータン、ゾウやサイ、トラなど、多種多様な野生生物が生息していますが、プランテーション開発により絶滅の危機を招いています。
ボルネオ島のオランウータンの生息数は、過去100年間で90%も減少(※3)。今もたくさんの動物達の生活を脅かし続けています。

(出典:※3 ©COPYRIGHT 2016 プランテーション・ウォッチ All Rights Reserved.あぶない油の話http://plantation-watch.org/abunaiabura/

日頃から意識をして買い物を

このように様々な問題を抱えるパーム油ですが、食品表示からどんな油が使われているのか、見極めるのが難しいのが現状です。メーカーへ問い合わせてみるなど、日頃から意識して買い物をすることを心がけてみましょう。

一部のメーカーでは、環境や動物への影響を考え、パーム油を使用していないことを明記された商品も販売されています。是非色々探してみてください!
(参考:North Collars 純国産ポテトチップス http://northcolors.com/

ヴィーガン子育て編集部

※現在、日本では「VEGAN」を「ヴィ―ガン」「ビーガン」の2通りで表記されていますが、意味は同じです。当サイトでは「ヴィ―ガン」で統一しています。

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