学校給食の牛乳拒否について、子どもが「みんなと同じじゃないと嫌」という場合は?

これまでの学校給食の牛乳特集記事から、牛乳は止めることができるということはお分かりいただけたのではないかと思います。一方で、牛乳を止める際に大切なのが「子どもの気持ち」です。親としては、色々な考えから牛乳を止めたいと思っているけど「子どもが嫌がる」「みんなと一緒がいいと言う」という話もよく耳にします。

子どものためを思っても、それがかえって子どものストレスになってしまっては本末転倒です。子どもからみんなと同じがいい、と言われた場合について、今回は考えてみたいと思います。

強制はNG!

強制はNG

牛乳を止めたい理由は様々です。

①アレルギーや乳糖不耐症、という理由以外には、

②子どもが牛乳を飲みたがらない

③体への影響または放射能等の心配から親が飲ませたくない

④できるだけ菜食で生活したい

といったものが多いかと思います。①②の場合は子ども自身の意思なので、牛乳を止めることについて子どもがストレスを感じることはないかと思います。
ただ、③や④のように元々子どもは何も思っていなかったが、親の考えで飲ませないようにしたいという場合、一方的に習慣を変えるとそれは子どものストレスになります。

一方、子どもが牛乳を飲みたい理由としては、好きだから、という以外に、みんなが飲んでいるから、というものが多くあります。以前、学校給食について自治体向けにアンケートを取った際に、ある自治体の担当者から「学校は集団生活を学ぶ場であるから、できれば給食はみんなと同じものを食べてほしいと考えている」と言われたことがあります。「みんなと一緒に」がベースにある教育の中では、子ども自身もいつの間にか「みんなと一緒」を意識するようになります。

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大切なのは、子どもが自分で決めること

子どもにストレスがかからないようにするために大切なことは、子どもが自分で決めることです。ただ、前述したように「みんな一緒が良し」とされる今の世の中では、自分で選択する、判断する力をつけるのはなかなか難しいことです。こうした力をつけるためには、まずは自分で考えることができる「土壌」が必要です。そしてその土壌を作るために大切なのが、普段の親子の会話です。

例えば牛乳に関して言えば、「お母さん(お父さん)はこういう風に思っているから、あなたにはあまり飲んでほしくないと思っている。あなたはどう思う?どうしたいと思う?」この問いかけ、対話の繰り返しが何よりも大切です。みんな飲んでいるから自分だけ飲まないのは恥ずかしい、と言われていたお子さんの話も以前聞いたことがありますが、これも一つの「意見」です。そんなの理由にならない、とは言わないでくださいね。対話はそこから始まります。

自分で選択する習慣をつけよう

自分の人生を自分で切り拓く力をつけるために

みんなはどうかな?とつい周りを見てしまう、ということは大人も同じですが、牛乳に限らず、子どもが周りと違うことを選択するというのは、大人が思っている以上に勇気がいることです。周りを気にせず生きていけるようになるには、普段から「みんな」ではなく、自分という「個」を意識していられるかどうかで変わってきます。

  • みんなゲームを持っている
  • みんなこういうのを持っている
  • みんなこう言っている

こういったことを言われたことがある方は多いと思いますが、その時、どうしていますか?

「そんなのは理由にならない」と突き放しているという場合もあるかもしれませんが、できればそこで突き放すのではなく、

  • どうしてみんな持っているから必要なのかな?
  • もし、みんな持っていなかったら、いらない物なのかな?
  • 本当に今、これが必要なのかな?

ということを丁寧に話し合ってみてください。

まずは親と子の対話の習慣を

親子の対話の習慣が大切

対話の習慣ができていないと、子どもの方が「もういい!」と途中でプイッと切れてしまうこともあるでしょう。でも、その場で追及するような話しをする必要はありません。時間を空けて、美味しいおやつを食べている時などに、「さっきの話しだけどね」と改めてゆっくり話しをしてみると良いかもしれません。

大切なのは、子どもが自分で自分の意見を言えるようにすること。

牛乳についても同じです。まずは親の考えを丁寧に伝えてみましょう。1回や2回の話しではなかなか伝わらないこともあるかもしれませんが、そこは焦らず、時間をかけて話しをしていくことが大切です。

もしかしたら止めないという結論になるかもしれませんが、親の考えに触れていくことで、子ども自身も少しずつ自分で考えていくようになるはずです。

そして牛乳を止めることにした場合、周りのお友達から、「なんで飲まないの?」と言われることも出てくるでしょう。そこで、自分の意見として言えるようになると、子どもはぐっと成長します。

お母さんが飲まないでって言っているから、という理由が出てくる場合は、もしかしたらまだ子どもがちゃんと納得しきれていないかもしれません。
親と色々話して〇〇ってことだったから、暫く飲まないことにした。というように、自分の意見として言えるようになると、周りの子も色々言うことはなくなります。そして、子ども自身も「意見を言えた」ということが大きな自信につながるはずです。

でも最初からうまく言えるわけではありません。だからこそ、日常のちょっとした会話の中で、「あなたはどう思う?」「あなたはどうしたい?」という問いかけを意識して入れていき、子どもが自分の意見を言う習慣を身につけていくことが大切だと感じています。

自分の人生を自分で切り拓く力をつけるために

「みんなと違うといじめられる」という話しはよく聞きます。だからと言って、いつまでも「みんなと一緒」を意識しながら生きていたら、ずっと自分の人生を生きていくことができないまま、終わってしまいます。

今回は「牛乳」をテーマに考えてきましたが、自分で選択するということはどのようなことにも言えることです。「自分はこう思う」「自分はこうしたい」という考え方を大切に生きていけるようになると、少しずつ周りの行動や意見は気にならなくなってきます。

子どもたちが自分の人生を自分で切り拓いていけるようサポートしていくためにも、私たち大人も自分が何を大切に日々の選択しているのか、意識してみることが大切かもしれませんね。

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一般社団法人世界マザーサロン  代表理事 永井佐千子(Sachiko Nagai)
永井佐千子(Sachiko Nagai)
<経歴>
大学卒業後、北京に語学留学
2002年より経営コンサルティング会社で日系企業の中国事業支援に従事
その後、上海の法律事務所で勤務後、2008年に独立
母親が在宅で仕事ができる環境を整えながら企業の事業支援を行う
2015年に一般社団法人世界マザーサロンを設立
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