過剰な除菌に要注意!免疫力アップにつながる腸を元気にする食事と野菜作り

新型コロナウイルス感染症が蔓延する今、「除菌」や「抗菌」は私たちの生活と切っても切れない新習慣となりました。しかし、除菌のし過ぎは、私たちの生活や健康にとって欠かせない大切な細菌を死滅させてしまうことにもつながります。今回は、細菌の種類をおさらいしながら、免疫力アップのためにできることをお伝えします。

細菌の種類~体に良い菌・悪い菌~

細菌は目には見えない微生物の一種のことで、地球上には数千種類の細菌が存在し、土壌や海水など様々な場所に生息しています。細菌と聞くと、「病気の原因となる悪いもの」と思う方も多いかもしれませんが、病気を引き起こす病原菌はごく一部で、わたしたちが普段から口にしている食品も細菌などの微生物の力を借りたものが多くあり、食生活を豊かにしてくれています。

細菌が原因となる感染症の一例

・百日咳
・梅毒
・結核
・コレラ
・ジフテリア
・マイコプラズマ肺炎
・赤痢

食中毒をおこす細菌の一例

・サルモネラ
・カンピロバクター
・腸炎ビブリオ
・腸管出血性大腸菌(O157、O111など)
・黄色ブドウ球菌

食品の発酵を促す主な微生物

・酵母      主な発酵食品:ワイン、ビール、パン
・カビ(糸状菌) 主な発酵食品:チーズ、清酒、味噌、醤油
・細菌      主な発酵食品:納豆、ヨーグルト

出典:MSDマニュアル家庭版 細菌の概要 – 16. 感染症 – MSDマニュアル家庭版

出典:農林水産省 食中毒をおこす細菌・ウイルス・寄生虫図鑑 

細菌の力で腸内環境を整え免疫力アップ!~便で腸の健康チェック~

ヒトの体内外にも100兆個をこえる細菌が生息していると言われており、それらを『常在菌』と言います。腸には最も多くの常在菌が存在しており、腸内環境を整えることが健康な体づくりへの第一歩です。

日本を代表する発酵食品である醤油や味噌は『麹菌』、納豆は『納豆菌』の力で発酵させていますが、発酵食品には善玉菌が含まれており、日々の食事に取り入れることで腸内環境を整え、免疫力を高める効果が期待出来ます。

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それとは反対に、インスタント食品や加工食品に含まれる食品添加物は腸に悪影響を及ぼす可能性が考えられるため、日常的に食べることは避けましょう。

腸内環境の状態を知るには、便を観察するのが最も簡単です。「黄色がかった褐色」「柔らかいバナナ状」「においは悪臭でない」「トイレの水に浮く」など、これらの条件を満たした便が理想的とされており、毎日の便を観察することで腸の状態を知ることができます。日々の食事を整えて、腸を元気にしていきましょう!

出典:厚生労働省 e-ヘルスネット 腸内細菌と健康

病気に強い体になる 免疫力を高める日々の習慣

腸内フローラは3歳までの生活習慣や食事が大切!土に触れて心も体も健康に

ご紹介したように、腸は食べ物の消化吸収だけでなく免疫機能を司る重要な役割を果たしています。腸に生息する細菌「腸内フローラ」は、3歳までの生活習慣や食事で土台が作られると言われており、理想的な腸内フローラを形成するためには、小さい頃から善玉菌を含む発酵食品や善玉菌のエサとなる食物繊維やオリゴ糖を含む食品を日々の食事に取り入れることが大切です。

また、幼児期に多彩な細菌と触れ合うことも腸内フローラの形成に大切だとされています。土壌に生息する細菌には抗炎症や免疫調整、ストレス耐性などの性質があるとの研究結果があるほか、就学前に農村暮らしをしていた子どもは学齢期のアレルギー鼻炎罹患率が約3分の1との報告もあり、適度に細菌に触れることが腸内環境を整え、免疫力を高めることに繋がることが分かります。

新型コロナウイルス感染症予防に欠かせない習慣となった手洗いや除菌ですが、過度な手洗いや除菌は皮膚に存在する常在菌を洗い流してしまい、肌のバリア機能や免疫力の低下に繋がるため、手洗いや消毒は外出先からの帰宅時、トイレの後、調理や食事の前など適切なタイミングで行いましょう。

出典:Springer

出典:日経メディカル 就学前に農村で暮らした子どもは学齢期のアレルギー性鼻炎が7割減

子どもが安心して集まれる「心の木・マザーズファーム」

当サイトの運営団体である世界マザーサロンでは、子どもたちが集まれる場所づくりとして、長野県松代町にある遊休地を「心の木・マザーズファーム」と名付け、自然本来の持っている力を活かした野菜作りをするプロジェクトを始動しました。

第一回目のマザーズファームでは、菌の力を活かした「ぼかし作り」体験を行いました。ぼかしの材料となる納豆や豆乳ヨーグルトを素手で混ぜる作業に、最初こそおっかなびっくりの子ども達でしたが、段々と夢中になり、一生懸命混ぜている姿が印象的でした。

「ぼかし作り」体験当日の様子です。↓↓↓

土いじりや泥んこ遊びは、「服が汚れてしまう」「後片付けが大変」と敬遠される方もいるかもしれませんが、自然を通して多くのことを学べるだけでなく、多彩な菌に触れることで丈夫な体づくりにも繋がります。まずは家庭菜園定番のミニトマトやキュウリを育て、土に触れる機会をつくるのもおススメです。

※免疫力が低下している人、傷口がある場合は感染症などに注意して行いましょう。

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いかがでしたか?細菌は私たちに悪い影響をもたらす病原菌だけでなく、土や野菜、ヒトや動物の健康を維持するために大切なものも多く存しています。過剰な除菌や抗菌で細菌を排除するのではなく、バランスよく、上手に付き合っていきたいですね。

ヴィーガン子育て編集部

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