<心の木・マザーズファーム>耕作放棄地を開墾して若者の雇用創出に
一般社団法人世界マザーサロンでは、2021年3月から、長野市松代町にある耕作放棄地を開墾し、農薬・化学肥料を使わない野菜作りをしています。お母さんと子どもたちの居場所として、自立の場として、地域に根差していきたいという想いで“心の木・マザーズファーム”と名付け、みんなで大切に野菜を育てています。今回は耕作放棄地の現状と、世界マザーサロンの取り組みについてご紹介します。
Contents
増え続ける耕作放棄地
耕作放棄地とは、“所有している耕地のうち、過去1年以上作付けせず、しかもこの数年の間に再び作付する考えのない耕地”のことを指します(農林業センサスより)。昭和50年には13万千haだった耕作放棄地の面積は、平成27年には42万3千haに増加しています。耕作放棄地が増加している要因として、農業従事者の高齢化や、担い手不足などが挙げられます。
耕作放棄地と遊休農地の違い
遊休農地は、農業経営基盤強化促進法第5条第2項第4号において「農地であって、現に耕作の目的に供されておらず、かつ、引き続き耕作の目的に供されないと見込まれるもの」と定義されており、上述の「耕作放棄地」とは定義が少し異なりますが、いずれにしても遊休農地から耕作放棄地になってしまうケースは多くあります。
耕作放棄地の抱える問題
近年、シカやイノシシなどの野生動物による農作物被害や、住宅地への出没というニュースを多く目にするようになりました。その原因の一つが、動物の生息域である耕作放棄地の増加と言われています。耕作放棄地の伸びた草や藪は野生動物の隠れ場所となり、人に姿を見られることなく農地や住宅地に近づけるようになります。また、耕作放棄地は、害虫の発生やゴミの不法投棄など、周辺の生活環境にも大きな影響を与えるとして問題になっています。
この耕作放棄地をもっと活用し、自給自足の力をつけ、雇用につなげる、ということを目指し、世界マザーサロンは耕作放棄地の開墾を進めています。
心の木・マザーズファームの取り組み
心の木・マザーズファーム第一号は長野市松代町にある1800㎡の畑。開墾では、小さい子どもから高校生、大人まで、総勢約40名で作業を進めました。使われなくなった荒地の雑草や木の根を抜き、耕す作業は想像以上に大変な作業ですが、お手伝いに来ていただいた皆様のお陰でとっても綺麗になりました!
今年は長野市川中島町にも畑を広げていきます。
心の木・マザーズファームの特徴は2つあります。
特徴その1.農薬・化学肥料・動物性堆肥に頼らない、自然の力を活かした栽培
長年農地として使用されていない耕作放棄地は、農薬などの影響を受けていないため、無農薬で野菜を育てるのに最適です。心の木・マザーズファームでは、自然本来の土の力を最大限に活かすために、米ぬかや生ごみを再利用した手作りの堆肥で土づくりをしています。米ぬかや生ごみを原料に作られた手作り堆肥は、土の中の微生物を増やし、土をフカフカにしてくれます。また、植物性堆肥を手作りすることで堆肥を購入するコストを削減できるほか、生ごみを捨てるのではなく、堆肥として再利用できるため、ごみの排出量が削減できるなど、たくさんのメリットがあります。
【ぼかし作りの様子】
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特徴その2.若者の雇用創出
現在、日本の基幹的農業従事者(※1)は、65歳以上が69.6%、49歳以下が10.8%(39歳以下は4.9%)と高齢化していることが分かります。
一方、若年無業者(※2)と呼ばれる若い世代は、令和2年には87万人にのぼり、日本で生活保護を受けている29歳以下の人口は約33万人となっています。
仕事に就かない若者の中には、「知識・能力に自信がない」「探したが見つからなかった」など、働きたい気持ちがあっても働けない若者も多く存在します。一般社団法人世界マザーサロンの運営する『学び舎めぶき』では、心の木・マザーズファームで年間を通して野菜の栽培を行い、農業技術を取得し、高齢化や担い手不足の進む農業と若者を繋ぐことを目指しています。
(※1)基幹的農業従事者:15歳以上の世帯員のうち、普段仕事として主に自営農業に従事している者。)
(※2)15〜39歳の非労働人口のうち、家事も通学もしていない者
(『学び舎めぶき』では、他にも縫製、食品加工など、様々な事業を通じ、職に困っている人、社会に出るのが不安な人をサポートして就職を後押ししています!詳しくはこちらをご確認下さい。↓ ↓ ↓)
今後も空いている畑を活用しながら、色々な野菜の栽培にチャレンジしていきたいと思いますので、どうぞお楽しみに!
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メルマガでは、代表の永井佐千子のメッセージと共に活動の最新情報等をお送りしています。
<永井佐千子の経歴>
大学卒業後、北京に語学留学
2002年より経営コンサルティング会社で日系企業の中国事業支援に従事
その後、上海の法律事務所で勤務後、2008年に独立
母親が在宅で仕事ができる環境を整えながら企業の事業支援を行う
2015年に一般社団法人世界マザーサロンを設立
一男一女の母
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ヴィーガン子育て編集部