コラム

学校給食の牛乳問題〜学校への伝え方から全国給食代ランキングまで!皆さんの自治体は何位?〜

もうすぐ入園・入学シーズンですね!新しい生活に向けて、準備に追われている方も多いのではないでしょうか。入園入学には色々な不安があるかと思いますが、その中でも特に多く挙げられるのが「給食」。一人で食べられるか心配、苦手なものが多い、など色々とご相談が寄せられますが、特に「牛乳」に関するご相談が多く寄せられます。

子どもが牛乳を飲みたがらない、飲ませたくないけど拒否ができない、拒否はできてもお金は払わないといけない、といったお話しを今までたくさんお聞きしてきました。これまで当サイトでも学校給食について取り上げてきましたが、改めて、そもそも給食とはどういうものなのかを見ながら、牛乳は本当に拒否できないのか?について、考えていきたいと思います

※(学校給食の牛乳に関するアンケートは終了しています。ご協力いただき、ありがとうございました。ご相談などは随時受付中です)

給食の目的は「頑張って食べること」ではありません

「食べ物を大切にする」「残さず食べる」ということはとても大切なことです。ですが、そもそも給食の目的は「残さないように頑張ること」ではありません。最近では無理に食べさせるということは減ってはきていますが、それでも「頑張って食べる日」が設けられていたり、残さないことを目標に掲げていたりするケースをよく耳にします。食べ残しが出ないようにするには、子どもに頑張らせるのではなく、これまでの残渣データをもとに、給食センターの方で量を調節するなど、大人の方で努力をすべきところではないかと思います。

<関連記事>

給食実施は自治体の努力義務―給食を食べる・食べないは選択可能

以下は学校給食法で定められた「学校給食について」の取り決めです。自治体に対しては学校給食の実施について「努力義務」を課していますが、子どもたちに給食の「義務」を課しているわけではありません。

第一条   この法律は、学校給食が児童及び生徒の心身の健全な発達に資するものであり、かつ、児童及び生徒の食に関する正しい理解と適切な判断力を養う上で重要な役割を果たすものであることにかんがみ、学校給食及び学校給食を活用した食に関する指導の実施に関し必要な事項を定め、もつて学校給食の普及充実及び学校における食育の推進を図ることを目的とする。

(学校給食の目標)

第二条   学校給食を実施するに当っては、義務教育諸学校における教育の目的を実現するために、次に掲げる目標が達成されるよう努めなければならない

    一   適切な栄養の摂取による健康の保持増進を図ること。

給食のについてもっと知りたい方は、関連記事<【給食を知ろう】給食は義務?権利?学校給食の歴史とアレルギー児童の推移>をお読みください。

小学校給食代全国ランキング!皆さんのお住まいのエリアは??

文部科学省のデータをもとに、全国の給食代をランキングにしてみました。2018年度の月額の第一位は長野県、1食あたりの第一位は新潟県でした。皆さんのエリアはいかがでしょうか?

2018年度全国(都道府県別)給食代月額ランキング

2018全国(都道府県別)給食代月額ランキング 文部科学省 都道府県別学校給食費平均月額(公立小・中学校・夜間定時制高等学校) をもとに作成

この金額で毎日しっかり給食を出していただけるのはとても有難いことですよね。ただ、毎日大量の食べ残しが出てしまっているというのはとても残念なことです。特に牛乳は、一口だけ、もしくは全く口をつけずにそのまま食管に流し入れているということもよく聞きます。

給食に占める牛乳代を調査

世界マザーサロンオンライン子育て座談会「給食の牛乳は義務?」に

この牛乳代が給食代のうちどの程度を占めるのか、いくつかの自治体の事例を見てみたいと思います。

長野県松本市の給食代金内訳

長野県松本市の給食代280円(小学校)のうち、 

小学校:主食費34円、牛乳費54円、副食費192円

大阪府茨木市の給食代金内訳

大阪府茨木市(パン食の場合) 

1・2年生(220円) パン48円 牛乳・ヨーグルト69円 おかず103円

3・4年生(230円)パン50円 牛乳・ヨーグルト69円 おかず111円

5・6年生(240円) パン53円 牛乳・ヨーグルト69円 おかず118円

山口県柳井市の給食代金内訳

山口県柳井市の給食代金260円(小学校)のうち牛乳費54円

他の自治体を見ても給食の牛乳代はおおよそ55円前後となっており、1食あたりの平均の給食代(274円)で考えると、約20%がこの牛乳代で占められています。平均実施回数で考えると、1年間に10,505円程度になる計算です。飲まずにそのまま残してしまうということは、この金額も無駄にされてしまっているということにもなります。

学校給食で牛乳を飲ませたくないときの対応方法について

給食牛乳拒否の判断は学校側の裁量次第

学校では、アレルギーや乳糖不耐症等の理由で医師の診断書があれば止めることができます。ただ、思想上の理由(例えば、菜食である、放射能が心配、健康への影響が心配といったもの等)の場合、話し合いが必要になります。

牛乳を止めたいという話しをした時に、学校側から高圧的な態度で拒否はできないと言われた、止めることはできても返金はできないと言われたという話しがありますが、判断は全て学校の裁量に任せられており、教育委員会は関与していません

給食牛乳拒否は各学校に決定権がある

給食牛乳を止めるコツは栄養面など家庭での考えを丁寧に説明すること

某小学校の校長先生にお話しをお聞きしたところ、アレルギー以外の理由ではあったが、保護者と話し合いをした上で牛乳の支給は止め、その分給食代から差し引いているといったお話しもあり、実際に止めている事例が多くあります。

ですので、最初から強く否定をされるといった場合は、実際に止めてもらっている事例もあるということをお伝えしながら、その否定の根拠についてお聞きしてみても良いと思います

「単なる好き嫌いは理由にならない」と言われることもありますが、「代わりの栄養摂取について、家庭ではどう考えているか等丁寧にお伝えしていくことも大切です。

是非下の<カルシウム不足の本当の原因を知っていますか?骨粗鬆症を防ぐ食事のポイント>記事も参考にしてみてください。

以前、「ピーマンを食べさせたくないからピーマンを抜いてその分のお金を、というのは無理ですよね?」と言われたこともありますが、そういう問題ではありません。牛乳代は既に牛乳代として個別に単価が出ているものであり、1本単独であるものです。実際にアレルギー対応として止めることができているものなので、事務手続き的に難しいということもありません。

給食牛乳を止める話し合いの最適な時期は新学期前

学期が始まってからの変更は難しいこともあるため、できれば入学前に話しを進めておいた方が良いかと思います。話し合いがうまくいかない、どのように話をして良いか分からない等、お悩みがありましたら、いつでもお気軽にお問合せください。

学校・園給食の牛乳を止めるための診断書について
「アレルギーではないが、牛乳を飲むとお腹の調子が悪くなるため、給食の牛乳を止めたいがどうしたら良いか」というご相談をよくいただきます。
学校や園で「診断書の提出が必須」というところも多くあり、その場合は病院などで診断書を出していただく必要があります。
その場合、まずはかかりつけの医院で「アレルギーではないのですが、牛乳を飲むとお腹の調子が悪くなるため、給食の牛乳を止めたいのですが、診断書を書いていただくことは可能でしょうか?」とお聞きいただけたらと思います。
アレルギー以外の理由でも、診断書を出していただけるところは多くあります。
それでも難しいという場合は、こちらのお問い合わせからご連絡ください!

学校給食の牛乳を実際に止めた保護者の方の体験談を募集

学校給食の牛乳を実際に止めた保護者の体験談を募集します

「我が家の場合はこうだった」等、経験談も是非お寄せください。改めて読者の皆様にご紹介させていただきたいと思います。

給食の牛乳に関するアンケート結果(回答期間:2019年3月18日-5月31日)

(※アンケートは終了致しました。)

2か月間アンケートを募集させて頂き、多くの方からご回答いただきました。 アンケート結果は、下記の「学校給食の牛乳、どうやって止めましたか?【牛乳アンケート中間報告】」と「学校給食の牛乳、みんなどうしてる?【牛乳アンケート後半結果報告】」記事からお読みください。

次回は、多く寄せられるご質問のうち、「子どもが自分だけみんなと給食が違うことを嫌がる」ということについて考えてみたいと思います。

ヴィーガン子育てプロジェクトの給食と牛乳記事一覧~動画も公開中!~

ヴィーガン子育てプロジェクトは、給食についてこれまでも多くの記事を配信しています。動画も公開中です。

ヴィーガン子育てオフィシャルYou Tubeチャンネルでも、給食の牛乳についての動画を公開しています。ぜひご覧下さい!
↓↓↓

毎月第4火曜日開催 ヴィーガン子育てオンライン座談会

ヴィーガン子育てでは、毎月第4火曜日にオンライン座談会を実施しています。ファシリテーターは<ヴィーガン子育てプロジェクト>代表の永井佐千子です。記事には書いていない裏側の話も聞けるチャンスです♪

これからの学校・園生活のこと、給食のこと等、不安を感じられている方の声をお聞きします。座談会では、そんな不安を取り除き、安心して学校生活がスタートできるよう、皆さんとお話ができたらと思っています。

祝日や年末年始等は日程が変更になる場合もありますので、詳細は、『ヴィーガン子育て オンライン座談会 ヴィーガン子育てのお悩み 一緒にお話しませんか?』をお読みください。

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一般社団法人世界マザーサロン  代表理事 永井佐千子(Sachiko Nagai)
永井佐千子(Sachiko Nagai)
<経歴>
大学卒業後、北京に語学留学
2002年より経営コンサルティング会社で日系企業の中国事業支援に従事
その後、上海の法律事務所で勤務後、2008年に独立
母親が在宅で仕事ができる環境を整えながら企業の事業支援を行う
2015年に一般社団法人世界マザーサロンを設立
一男一女の母

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ヴィーガン子育て編集部

※現在、日本では「VEGAN」を「ヴィ―ガン」「ビーガン」の2通りで表記されていますが、意味は同じです。当サイトでは「ヴィ―ガン」で統一しています。

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