アワ・ヒエ・キビ~日本のスーパーフード「雑穀」を取り入れよう~
現代の日本人の主食は白米ですが、米が主食になる前は雑穀が主食だったという歴史もあります。古事記では「稲・粟・麦・小豆・大豆」が五穀とされ、雑穀を主食としていた地域がたくさんありました。
私たちに馴染み深く懐かしい食材「雑穀」は、その栄養価の高さからスーパーフードとして改めて注目を集めています。今回は雑穀の栄養素や雑穀を使ったレシピをお伝えします。
Contents
そもそも雑穀ってなに?
雑穀とは、日本人が主食(白米)以外に利用している穀物の総称のことを指します。
アワ、ヒエ、キビなど様々な種類があり、白米に比べて食物繊維やミネラルなどの栄養素が豊富に含まれているため、白米に混ぜて炊いたり、サラダにトッピングしたり、普段の食事にプラスするだけで栄養満点なメニューに早変わりします。
雑穀に含まれる栄養素とその働き
「雑穀」と一口に言っても、その種類や栄養素、食味、食感など、実に様々です。その違いを見てみましょう。
雑穀別100gあたりの栄養素比較表
エネルギー (kcal) | たんぱく質(g) | 脂質(g) | 食物繊維総量(g) | カリウム (mg) | カルシウム ( mg) | 鉄(mg) | |
白米 | 358 | 6.1 | 0.9 | 0.5 | 89 | 5 | 0.8 |
アマランサス | 358 | 12.7 | 6 | 7.4 | 600 | 160 | 9.4 |
アワ | 367 | 11.2 | 4.4 | 3.3 | 300 | 14 | 4.8 |
キヌア | 359 | 13.4 | 3.2 | 6.2 | 580 | 46 | 4.3 |
ヒエ | 366 | 9.4 | 3.3 | 4.3 | 240 | 7 | 1.6 |
タカキビ | 364 | 9.5 | 2.6 | 4.4 | 410 | 14 | 2.4 |
雑穀に含まれる栄養素の主な働き
雑穀に豊富に含まれるミネラルや食物繊維などの栄養素には、以下のような働きが期待できます。
ミネラル
ミネラルは無機質ともいい、体の組織を構成し、体の調子を整える働きをする栄養素です。
体内で合成できないため食物として摂る必要があります。不足した場合は欠乏症やさまざまな不調が発生するため、意識的に摂取したい栄養素です。
食物繊維
食物繊維は善玉菌のエサとなり、腸内細菌の数を増やす助けになります。
私たちの体には、体内で発生したガン細胞や、外部から侵入した細菌やウイルスなどの有害物質を体から排除してくれる免疫システムが備わっていますが、この免疫に関わる細胞の約70%は腸に存在しており、腸内環境を整えると免疫力がアップして健康維持に繋がります。
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雑穀別の特徴まとめ
アマランサス(ヒユ科ヒユ属)
癖のない味で、プチプチとした触感が特徴。
白米に比べ、たんぱく質は約2倍、カルシウムは約30倍、鉄分は約12倍と、雑穀の中でも栄養価の高さはトップクラスです。
主な栄養素
たんぱく質、カルシウム、葉酸、鉄、亜鉛、食物繊維
アワ(イネ科アワ属)
淡い味わいから「アワ」という名前が付けられたと言われています。アワにはモチ種とウルチ種の2種類があり、もちあわはモチモチした食感が、うるちあわはプチプチとした食感が特徴。
鉄分が多く含まれており、貧血に悩まされがちな女性に嬉しい雑穀の一つです。
主な栄養素
たんぱく質、鉄分、食物繊維
キヌア(ヒユ科アカザ亜科アカザ属)
プチプチとした触感が特徴で、キヌアを爆ぜさせて作るパフは、サクサクとした食感と香ばしい香りでスイーツ作りにも使える優れもの。カルシウムが豊富で育ち盛りのお子さんにオススメな雑穀です。
主な栄養素
たんぱく質、カルシウム、鉄分、食物繊維
ヒエ(イネ科ヒエ属)
淡白な味わいで、別名「フィッシュミレット」とも呼ばれ、炊くと白身魚のようなホロホロとした触感になるのが特徴。ヒエは寒さに強く、身体を温める雑穀と言われており、冷えが気になる女性にオススメです。
主な栄養素
マグネシウム、食物繊維
タカキビ(イネ科モロコシ属)
しっかりとした触感が特徴で、別名「ミートミレット」とも呼ばれ、加熱するとひき肉のような触感になります。ハンバーグやミートボール風など、男性や育ち盛りのお子さんにピッタリなボリューム満点なメニューが楽しめます。
主な栄養素
マグネシウム、鉄分、食物繊維
VEGAN子育て編集部おすすめ雑穀レシピ
雑穀は栄養価が高いだけでなく、その食感や風味を活かして様々な料理に使えます。
VEGAN子育てサイトでは、色々な種類の雑穀を使ったレシピを公開中です。お好みの雑穀を見つけて、是非お試しください。
アマランサスを使ったレシピ例
キヌアを使ったレシピ例
もちきびを使ったレシピ例
ゴマを使ったレシピ例
ヒエを使ったレシピ例
雑穀は、主菜からスイーツまで、アレンジの効く食材です。
古くて新しいスーパーフード『雑穀』の魅力が少しでも伝わりましたでしょうか。
ぜひ、毎日の食卓に栄養満点で料理のレパートリーが広がる雑穀を取り入れてみてください。
VEGAN子育て編集部